スター商事

山岳ライターの商品体験レポートProduct Report

SOLの“ブランケット”シリーズは何が違う? 商品を比べて解説します!

 

「◯◯ブランケット」は緊急時に使うサバイバルシート

 


登山や渓流釣りなど山の中でアクティビティを安全に楽しむには、ビバーク用品やファーストエイドキットといったエマージェンシー用品が欠かせません。中でも必ず用意しておきたいのが、サバイバルシートと呼ばれるアイテムです。

たとえば緊急時、屋外で寒さに震えるような状況で何もせずにいると、体温がどんどん低下して危険な低体温症に陥ることも。そのような危機的状況を防ぐアイテムがサバイバルシートで、大人が包まれるほどの大きさがあり、体温を反射して保持する機能を備えています。

エマージェンシーグッズを取り扱う<SOL(エスオーエル)>も漏れなくサバイバルシートをラインナップしており、“ブランケット”という商品名で販売中。

今回はSOLがリリースするサバイバルシートについて解説します!

 

SOLのサバイバルシートを一挙紹介!

 


SOLを取り扱うスター商事のカタログやホームページを見ると、“ブランケット”という名前の商品が多いことに驚くはず。そして、何が違うのか、ちょっと分かりづらいですよね。まずはひとつずつ見てきましょう。

 

1.エマージェンシーブランケット1人用

 


ポリエチレン素材にアルミ蒸着加工を施した1人用のサバイバルシート。アルミ面が体熱の最大90%を反射して体温の低下を防ぎます。生地がしなやかで破けにくいため、繰り返し使うことが可能です。

使用サイズ:約142×213cm
重量:約65g

 

2.エマージェンシーブランケットXL

 


商品名の通り、こちらは「エマージェンシーブランケット1人用」を一回り大きくしたサバイバルシート。緊急時に寒がる人に寄り添って一緒にビバークするといった使い方ができます。(※カタログ上の商品名は「サバイバルブランケット2人用)」

使用サイズ:約147×249cm
重量:約91g

左)エマージェンシーブランケットXL、右)エマージェンシーブランケット1人用


1人用とXLの大きさを比べた写真がこちら。XLの方が縦に長いのが分かります。体が大きい人はXLを選んでも良いかもしれません。

 

3.ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット

 


特長や大きさは「エマージェンシーブランケットXL」と同じですが、生地を2.5倍厚くして強度をアップさせた商品がこちら。テントの外側や内側に敷くシート、雨を防ぐタープとしても使用できます。

使用サイズ:約152×244cm
重量:約223g

 

4.オールシーズンブランケット

 


格子状に編んだ強度の高い繊維を、ほかのブランケットと同じポリエチレン素材でラミネートした商品。
「エマージェンシーブランケットXL」を一回り小さくしたサイズで、体温の最大80%を反射保持します。

使用サイズ:約152×215cm
重量:約470g

 

それぞれのサバイバルシートを広げて、違いや特長を徹底解説!

 

それでは、それぞれのサバイバルシートをパッケージから出して、実物を比べながら違いを確かめていきましょう!

 

「ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット」は2.5倍強い!

 

左)ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット、右)エマージェンシーブランケットXL

商品説明の通り、「ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット」は「エマージェンシーブランケットXL」よりも2.5倍の厚みがあります。そのため、強度も2.5倍増し。

少々重くはなりますが、サバイバルシートをテントのグランドシートとしても使いたいと考えているなら、「ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット」がオススメです。


それぞれ見た目はそっくりですが、実際に触れてみると違いは明らか。「エマージェンシーブランケットXL」がフィルムのような薄さなのに対して、「ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット」にはコシがあるのが分かります。


試しに力を入れて引っ張ってみると多少は伸びるものの、「ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット」の形が大きく変わることはありませんでした。


一方「エマージェンシーブランケットXL」を引っ張ると写真のように左右に広がり、形が変形。シワができて生地がたるんでしまう結果となりました。

 

シリーズ中、いちばん強いのが「オールシーズンブランケット」

 

左)ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット、右)オールシーズンブランケット


強さが自慢の「ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット」より、さらに優れた強度を誇るのが「オールシーズンブランケット」です。
いくら「ヘビーデューティ エマージェンシーブランケット」が丈夫とはいえ、いつか穴が開く瞬間は訪れます。しかし「オールシーズンブランケット」にはそのような心配が皆無。熱を加えて溶かしたり燃やしたりしない限り、めったなことで穴が空くことはありません。


ふたつを比べると、見た目で違いが分かります。「オールシーズンブランケット」はブルーシートのような生地感があり、引っ張っても伸びることはありません。


さらに、四方がナイロンで補強されていて、四隅にはグロメットが取り付けられています。このグロメットに細引きを通せばタープとして使うことも可能です。

 

別ブランドのサバイバルシートも販売中

 

スター商事はSOLとは別に、<AMK(アドベンチャーメディカルキット)>という別ブランドのサバイバルシートも取り扱っています。

AMKナノヒートブランケット(完売いたしました)

使用サイズ:約170×147cm
収納サイズ:約13×10cm
重量:約193g

左)AMKナノヒートブランケット、右)エマージェンシーブランケット1人用


大きさは「エマージェンシーブランケット1人用」の長辺を短くした正方形に近いサイズ。機能は「オールシーズンブランケット」と同じで、体温の最大80%を反射保持します。


素材はアウトドア用品でおなじみのポリエステル。ほかのサバイバルシートと同じく、裏側にアルミ蒸着加工が施されています。


こちらの商品の最大の特長は収納袋が付属すること。畳むとかさばるサバイバルシートをコンパクトに持ち運ぶことが可能です。


紹介したサバイバルシートの中でいちばん高価になりますが、軽さと強度、持ち運びやすさのバランスはピカイチ。軽くて一生使えるサバイバルシートが欲しいと思ったら、「AMKナノヒートブランケット」が一押しです。

※完売いたしました

 

迷ったら「エマージェンシーブランケット1人用」を手に入れよう!

 

それぞれの特長を紹介してきましたが、それでもどれを選べばいいか悩んでしまう方もいるでしょう。そんなときは「エマージェンシーブランケット1人用」がオススメです。なんといっても安価ですし、パッケージがコンパクトなのでリュックサックやバックパックのなかで場所をとることもありません。

もしものときに備えてサバイバルシートを用意して、安全にアウトドアを楽しみましょう!

 

 

山岳ライター:吉澤英晃

山岳ライター吉澤英晃が、アイテムを実際に使ってみてレポートする連載企画。
登山からキャンプギアまで様々なアイテムの使用感や特徴を紹介していきます。(構成・文:吉澤英晃)

【自己紹介】
大学の探検サークルに入部したのことをきっかけに登山を開始。
社会人山岳会に所属し、夏は沢登り、冬は雪稜からバックカントリーまで、一年中山で遊んでいる。
登山用品の営業職を経験した後、現在はフリーライターとして活動中。