貴族も纏った世界最古の高機能素材で作る、ペトロマックスのローデンウエア

「ペトロマックス」は、多くのキャンパーの人気を集める圧力式灯油ランタンメーカー。手掛けるランタンのボディーは鏡面仕上げで高級感をまとい、発せられるまばゆい光は、遠目から見てもペトロマックスの明かりとわかるほど、キャンプシーンで圧倒的な存在感を放っています。
そんなペトロマックスは、本国ドイツに古くから伝わる伝統素材を使ったアウトドアアクティビティにぴったりなウエアをリリースしています。それが今回紹介する「ウォールマーク」と「デューベルスカール」です。
(※販売終了いたしました)

こちらのウエアに使われているのは、世界最古のアウトドア素材のひとつである「ローデンファブリック」。まずはこの素材の特徴から見ていきましょう。
火の粉を払う世界最古の伝統素材
「ローデンクロス」とも呼ばれるこの素材の起源については諸説あり、一説には「ローデン」という言葉が生まれたのは10世紀までさかのぼり、生地を作るドイツで最初の工場は12世紀には存在したと記録されています。さらに、古くは貴族たちが狩猟を行うときに着るコートにも用いられていた高級素材でもあるのです。

フェルト状に毛羽立つ表面は見た目に反してゴワゴワしておらず、とても柔らか。こちらの素材はウール100%で作られており、現在市場に流通しているアルパカやナイロン繊維入りのものと比べると、耐久性の高さが特徴となっています。
そしてウールの本来の性質によって難燃性が備わっているため、たとえばキャンプの醍醐味のひとつである焚き火の前で着用しても、火の粉で表面が溶けて穴があいてしまうといった心配がありません。

ただ、焚き火で着ると臭いが付いてしまうのが気になりますよね。でも安心してください。臭気を吸収しづらいという性質もあるため、着用後は陰干しするだけで嫌な臭いを取ることが可能です。
さらに一般的なウールの織物とは違い、撥水性と高い防風性も有しているのがこの素材のもうひとつの特徴。焚き火の火の粉を払いつつ、冷たい風で体が冷えることも防いでくれます。
しかし「ウォールマーク」と「デューベルスカール」に使われているローデンファブリックには特別な撥水加工が施されていません。それなのにどうして撥水性が備わっているのでしょうか。その答えはローデンファブリックが作られる工程にありました。
アウトドアに最適な高機能を生み出す縮絨加工
まず素材の繊維はウールといっても、油脂分が残ったウールが使われています。これを織り上げて一枚の生地を作るのですが、できあがった生地の面積を水の中で1/3〜2/3になるまで縮めるひと手間を挟むのが、この素材の特徴。縮絨(しゅくじゅう)というこの加工を施すことで、織り目がとても緻密になり、素材自体が丈夫になるのはもちろん、天然の油脂分で撥水性が備わりつつ、高い防風性も生まれるのです。

ほかにも、保温性、透湿性、調湿性、防汚性といった性能を備えており、たとえるならアウトドア素材の万能選手といえるでしょう。
高機能が自慢のローデンファブリックの特徴がわかったところで、さっそく2つのウエアの特徴を詳しく見ていきましょう。
実際の製品をフィールドでチェック!
アノラックタイプの「ウォールマーク」は、腹部にあるカンガルーポケットがポイント。両側から手を入れられる袋状になっており、さらにその内側にもファスナーで開閉できるポケットがデザインされています。


スマートフォンやお財布はもちろん、キャンプシーンで使うライターやナイフ、薪を掴むアラミドグローブなども入る大容量がいいですね。
さらにカンガルーポケットの表にはナイロンテープがデイジーチェーン状に縫い付けられているので、カラビナなどで小物を引っかけることも可能。

着脱を容易にするため、両サイドにはファスナーで開閉できるスリットがデザインされています。

首元のドローコードやカンガルポケットが目を引く「ウォールマーク」と比べると、ジャケットタイプの「デューベルスカール」は、いい意味で癖がなく、街で着ても違和感がないデザイン。

内側がメッシュになっているチェストポケットとハンドポケットがベンチレーションの役目を果たすと共に、メインファスナーがダブルジッパーになっているので、下部を開けてウエア内部の温度を調節することが可能です。


高機能ウエアは長年の相棒になること間違いなし!
「ウォールマーク」と「デューベルスカール」はなかなか高価なウエアですが、難燃性や撥水性、防風性などの機能は本物。素材が丈夫なので扱いもシビアではなく、汚れがひどくなったらドライクリーニングに出すことができるので、長年愛用することが可能です。
そして何年も先までの使用回数を考えると、決して高いだけのウエアではないはず。袖を通して、価格に見合った品質の良さをぜひ体感してください!
Petromax

山岳ライター吉澤英晃が、アイテムを実際に使ってみてレポートする連載企画。
登山からキャンプギアまで様々なアイテムの使用感や特徴を紹介していきます。(構成・文:吉澤英晃)
【自己紹介】
大学の探検サークルに入部したのことをきっかけに登山を開始。
社会人山岳会に所属し、夏は沢登り、冬は雪稜からバックカントリーまで、一年中山で遊んでいる。
登山用品の営業職を経験した後、現在はフリーライターとして活動中。