アウトドア用品のリペア職人になろう! ギアエイド使い方講座 No.3 ~アクアシール編/アクアシール+FD(フレキシブル&デュラブル)~
■ギアエイドの使い方を学ぶ本企画。前回に続き、今回は「アクアシール」シリーズを紹介します。
今まで紹介してきた「リペアテープ」「シームグリップ」とも異なるリペア用品がアクアシールです。
見た目はシームグリップにそっくりですが、乾燥後の仕上がりに大きな違いがあります。アクアシールは乾燥すると弾力性があり、ゴムのように伸びる特性があるのです。
そのため、ネオプレーンやゴムといった伸縮性のある素材の補修に向いていると言えます。
例えば渓流釣りで使われるウェダーはゴムやネオプレーンで作られることが多い商品です。もしウェダーに穴が開いてしまったら、水が浸入してしまい使い物になりませんよね。そのような商品の補修にピッタリなのがアクアシールなのです。
今回はアクアシールのなかでも特に人気の高い「アクアシール+FD(フレキシブル&デュラブル)」を使ってみます。
パッケージにはチューブ状の本体が一つ入っていました。「シームグリップ+WP」とは異なり、こちらには付属パーツがありません。これは、小さなブラシなどを別途要する必要がありますね。
スター商事のカタログでは10円玉くらいの穴も補修することも可能と書かれていたのですが、通常の使用方法ではそこまで大きな穴が開くことは滅多にないと思うので、今回はネオプレーン生地にできてしまった小さな傷を塞いでみます。
蓋を開けてチューブの口に穴を開けてから本体を指で押すと、ドロッとした液体が出てきました。これは、液体に近かったシームグリップとは全く別物です。粘り気があるので、補修剤を塗るというより、補修箇所の上に盛るようにしながら塞いでいきます。穴が完全に隠れたら完成です。
アクアシール+FDの乾燥時間は約8時間。乾燥後の状態を確かめてみると、やや白っぽく固まりました。
触ってみると弾力があり、傷は完全に塞がっています。これならゴムやネオプレーンの生地が伸縮しても穴が開くことはないですね。
実際に使ってみて気付いたのですが、アクアシールは弾力性の他に粘着性も非常に高い商品なので、厚みのある生地の補修に最適です。やはりゴムやネオプレーンなど分厚い素材のリペアに向いていると言えるでしょう。
今回紹介したアイテムはアクアシール+FDですが、その他にも数分で硬化するものや、登山靴のソールが剥がれてしまった場合に使用する商品なども存在します。またの機会にこれらの商品も紹介する予定なので、次回の記事を楽しみにしてください!
GEARAID アクアシール+FD
https://www.star-corp.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=100922
山岳ライター吉澤英晃が、アイテムを実際に使ってみてレポートする連載企画。
登山からキャンプギアまで様々なアイテムの使用感や特徴を紹介していきます。(構成・文:吉澤英晃)
【自己紹介】
大学の探検サークルに入部したのことをきっかけに登山を開始。
社会人山岳会に所属し、夏は沢登り、冬は雪稜からバックカントリーまで、一年中山で遊んでいる。
登山用品の営業職を経験した後、現在はフリーライターとして活動中。