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山岳ライターの商品体験レポートProduct Report

トレッキング

風を防いで暖かい! 各地の冬山で試したセイラスのグローブレビュー!

アウトドア用グローブは機能に注目して選ぶべし!

凍える指先を暖めるために、冬はグローブが手放せない季節です。

日常で使うことがメインなら選び方はデザイン重視でOKですが、アウトドアでも使う場合は、機能もきちんとチェックしたいですよね。

そこで今回は、スター商事が取り扱う<セイラス>のグローブをフィールドテスト! それぞれの使い心地を確かめてきました。

違いが分かりづらい薄手グローブ3型の特長からチェック!

テストで使用したグローブは、中綿が入っていない薄手のタイプの3モデル。デザインに目立った特徴がないので、見ただけでは機能の違いが分かりません。

まずはひとつずつ特長を紹介します。

1.ヒートウェーブ サウンドタッチ™ グローブライナー(カーボン)

サイズ:XS、S/M、L/XL
カラー:カーボン
※タッチパネル対応

いちばんの特長は「ヒートウェーブ」という独自素材。これは水分に反応して発熱(4℃~ 5℃上昇)する吸湿発熱素材で、さらにアルミプリントが体温を反射(約20%)することで内部体温を保持。薄手でありながら、発熱と反射・保持で暖かさを提供します。

2.サウンドタッチ™ ダイナマックス グローブライナー

サイズ:S/M、L/XL
カラー:ブラック
※タッチパネル対応

中心が空洞になっている極細の中空糸を、通常の2倍以上の密度で編んだオリジナル生地を使用。これにより防風性と抜群の保温性を併せ持ち、蒸れを逃す通気性も備えます。手の平にグリップ力を高めるシリコンプリント付きで、単体使用もおすすめです。

3.サウンドタッチ™ デラックス サーマックス グローブライナー

税込価格 ¥4,290
サイズ:S/M、L/XL、ジュニア
カラー:ブラック
※タッチパネル対応

素材はサウンドタッチ™ ダイナマックス・グローブライナー と同じ極細の中空糸。ただ、こちらの方が生地の縫い目が粗く、より通気性が高い点が大きな違い。中綿入りグローブと組み合わせて保温性を高めると共に、サラリとした肌触りも提供します。

フィールドで感じた使い心地を本音レポート

テストを行ったフィールドは、雪のない奥多摩、厳冬期の八ヶ岳、年末の南会津、年始の谷川岳など、状況も山域もさまざま。本格的な冬山でそれぞれのグローブを使用しました。

互いの違いを感じやすくするために、山の中では左右の手に別々のグローブを着けて行動。明らかになった詳しい使い心地をレポートします。

▶ No.1の肌触り!
サウンドタッチ™ デラックス サーマックス グローブライナー

前述した通り、サウンドタッチ™ デラックス サーマックス グローブライナー は肌触りが良く、通気性も高いため手の平を常にドライな状況を保ちます。

ただ、生地の目が粗いため風を防ぐ機能がなく、手の平にグリップ力を高める加工も施されていないため、単体使用は正直苦手。たとえば、管理されたスキー場で必ずスキーグローブとセットで使うような、ほぼ単体で使う必要がないシチュエーションにおすすめといえそうです。

▶ 保温性より確かな防風性を実感!
ヒートウェーブ サウンドタッチ™ グローブライナー

このグローブは特長的な保温性が気になっていたのですが、残念ながら肝心の暖かさははっきりせず…。無風だとじんわり熱を持つ感覚もあったのですが、カイロのような分かりやすい発熱を感じることはできませんでした。

しかし、防風性の高さは好感触。生地が高密度で編まれているので、多少の風なら単体でも冷たさを防げます。これなら冬だけでなく一年を通して役立つと感じました。

▶ 防風性とグリップ力で抜群に使いやすい!
サウンドタッチ™ ダイナマックス グローブライナー

テストした3つのモデルの中で、もっとも気に入ったのがこちらのグローブです。

まず感心したのが、実用的な防風性について。薄い生地でありながら、はっきりと冷たい風を遮断する防風性を感じることができました。それに伴い、まるで透明なぬるま湯に覆われているような暖かさがあり、この点はフリースのグローブと大差がない印象です。

手の平にグリップ力があるので単体での使用もおすすめで、冬山登山だけでなく、実は霞ヶ浦を一周したサイクリングでも大活躍。日常からアウトドアまで、気付けば常に手元にあるグローブになりました。

一押しはサウンドタッチ™ ダイナマックス グローブライナー !

さまざまなフィールドでテストを重ねた結果、サウンドタッチ™ ダイナマックス グローブライナー が私の一押しという結果になりました。本当に使い勝手がいいと感じていて、防風性の高さと、それによる保温性には確かな信頼を寄せています。

さらに、生地が薄く圧倒的に軽量なので、装備に加えてもかさばりません。登山に限らず外出するときは「とりあえず持っていこう」と思える点も、特筆すべき長所といえるでしょう。

いままで愛用していたフリースグローブの使用頻度が劇的に減ったほど、この使いやすさをぜひ多くの人に知ってもらいたい!

気になった方はぜひ実物をチェックしてみてください。

山岳ライター:吉澤英晃

山岳ライター吉澤英晃が、アイテムを実際に使ってみてレポートする連載企画。
登山からキャンプギアまで様々なアイテムの使用感や特徴を紹介していきます。(構成・文:吉澤英晃)

【自己紹介】
大学の探検サークルに入部したのことをきっかけに登山を開始。
社会人山岳会に所属し、夏は沢登り、冬は雪稜からバックカントリーまで、一年中山で遊んでいる。
登山用品の営業職を経験した後、現在はフリーライターとして活動中。